金閣寺 (新潮文庫)

新潮社

【新装版、新・三島由紀夫】 金閣を焼かなければならぬ――。破滅に至る青年の「告白」。 最も読まれている三島作品。国際的評価も高い。〔新解説〕恩田陸 「美は……美的なものはもう僕にとっては怨敵なんだ」。吃音と醜い外貌に悩む学僧・溝口にとって、金閣は世界を超脱した美そのものだった。ならばなぜ、彼は憧れを焼いたのか 現実の金閣放火事件に材を取り、31歳の三島が自らの内面全てを託した不朽の名作。血と炎のイメージで描く〈現象の否定とイデアの肯定〉──三島文学を貫く最大の原理がここにある。 巻末に用語、時代背景などについての詳細な注解、佐伯彰一、中村光夫、恩田陸による解説、さらに年譜を付す。 【本文冒頭より】 幼時から父は、私によく、金閣のことを語った。 私の生れたのは、舞鶴から東北の、日本海へ突き出たうらさびしい岬である。父の故郷はそこではなく、舞鶴東郊の志楽(しらく)である。懇願されて、僧籍に入り、辺鄙(へんぴ)な岬の寺の住職になり、その地で妻をもらって、私という子を設けた。 成生(なりう)岬の寺の近くには、適当な中学校がなかった。やがて私は父母の膝下(しっか)を離れ、父の故郷の叔父の家に

Trend Ranking

Popular Items

Favorite

MORE
All Delete
MORE
All Delete

History

MORE
All Delete
MORE
All Delete